安全データシート

2,4,6-トリクロロフェノール

改訂日:2024-01-24版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: 2,4,6-トリクロロフェノール
  • CB番号: CB3854536
  • CAS: 88-06-2
  • EINECS番号: 201-795-9
  • 同義語: 2,4,6-トリクロロフェノール,2.4.6-トリクロロフェノール

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: 染料中間体、殺菌剤、防腐剤 (木材用) (NITE-CHRIPより引用)
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:010-86108875

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日(物化危険性及び健康有害性)
JIS Z7252:2019準拠 (GHS改訂6版を使用)
R3.3.12、政府向けGHS分類ガイダンス (令和元年度改訂版 (ver2.0)) を使用
物理化学的危険性
-
健康に対する有害性
特定標的臓器毒性 (反復ばく露)   区分1 (呼吸器)
特定標的臓器毒性 (単回ばく露)   区分1 (中枢神経系) 区分3 (気道刺激性)
生殖毒性   区分2
発がん性   区分2
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性   区分2
皮膚腐食性/刺激性   区分2
急性毒性 (経口)   区分4
分類実施日(環境有害性)
平成20年度、政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版)
環境に対する有害性
水生環境有害性 (急性)   区分1

2.2 注意書きも含むGHSラベル要素

絵表示
GHS07GHS08GHS09
注意喚起語
警告
危険有害性情報
H410 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性。
H351 発がんのおそれの疑い。
H319 強い眼刺激。
H315 皮膚刺激。
H302 飲み込むと有害。
注意書き
安全対策
P280 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P273 環境への放出を避けること。
P270 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P264 取扱い後は皮膚をよく洗うこと。
P202 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P201 使用前に取扱説明書を入手すること。
応急措置
P391 漏出物を回収すること。
P337 + P313 眼の刺激が続く場合:医師の診察/手当てを受けること。
P332 + P313 皮膚刺激が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。
P308 + P313 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診察/手当てを受けること。
P305 + P351 + P338 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P302 + P352 皮膚に付着した場合:多量の水で洗うこと。
P301 + P312 + P330 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。口をすすぐこと。
保管
P405 施錠して保管すること。
廃棄
P501 内容物/容器を承認された処理施設に廃棄すること。

3. 組成及び成分情報

  • 化学物質・混合物の区別: 化学物質
  • 化学特性(示性式、構造式 等): C6H3Cl3O
  • 分子量: 197.45 g/mol
  • CAS番号: 88-06-2
  • EC番号: 201-795-9
  • 化審法官報公示番号: 3-931
  • 安衛法官報公示番号: -

4. 応急措置

4.1 必要な応急手当

一般的アドバイス
この安全データシートを担当医に見せる。
吸入した場合
吸入後は新鮮な空気を吸うこと。ただちに医師の診察を受けること。
皮膚に付着した場合
皮膚に接触した場合: すべての汚染された衣類を直ちに脱ぐこと。 皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 医師に相談する。
眼に入った場合
眼に触れた後は多量の水ですすぐこと。 眼科医の診察を受けること。 コンタクトレンズをはずす。
飲み込んだ場合
飲み込んだ後はただちに水を飲ませること(多くても2杯) 医師に相談する。

4.2 急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状

もっとも重要な既知の徴候と症状は、ラベル表示(項目2.2を参照)および/または項目11に記載されている

4.3 緊急治療及び必要とされる特別処置の指示

データなし

5. 火災時の措置

5.1 消火剤

使ってはならない消火剤
本物質/混合物に対する消火剤の制限なし
適切な消火剤
水 泡 二酸化炭素(CO2) 粉末

5.2 特有の危険有害性

分解生成物の本質は不明である。
可燃性。
蒸気は空気より重く、床に沿って広がることがある。
高熱で空気と反応して爆発性混合物を生じる
火災時に有害な燃焼ガスや蒸気を生じるおそれあり。

5.3 消防士へのアドバイス

自給式呼吸器がある場合のみ危険区域に留まってもよい。安全なゾーンまで離れるか適切な保護衣を着用して、皮膚に触れないようにすること。

5.4 詳細情報

ガス/蒸気/ミストを水スプレージェットで抑える(除去する)。 消火水が、地上水または地下水のシステムを汚染しないようにする。

6. 漏出時の措置

6.1 人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置

救急隊員以外への助言: ほこりを吸い込まないこと。 触れないようにすること。 十分な換気を確保する。 危険なエリアから避難し、緊急時手順に従い、専門家に相談のこと個人保護については項目 8 を参照する。

6.2 環境に対する注意事項

物質が排水施設に流れ込まないようにする。

6.3 封じ込め及び浄化の方法及び機材

排水溝に蓋をすること。こぼれたら集めて結合させ、ポンプですくい取る。 物質の制限があれば順守のこと (セクション 7、10参照) 乾燥剤で処置すること。正しく廃棄すること。関係エリアを清掃のこと。ほこりを生じないようにすること。

6.4 参照すべき他の項目

廃棄はセクション13を参照。

7. 取扱い及び保管上の注意

7.1 安全な取扱いのための予防措置

安全取扱注意事項
換気フードの下で作業すること。吸い込まないこと。
衛生対策
汚した衣類はただちに替えること。予防的な皮膚保護を講じること。本物質を取り扱った後は手と顔を洗うこと。注意事項は項目2.2を参照。

7.2 配合禁忌等を踏まえた保管条件

保管クラス
保管クラス (ドイツ) (TRGS 510): 6.1C: 可燃性、急性毒性カテゴリー3 / 毒性化合物または慢性効果を引き起こす化合物
保管条件
密閉のこと。 乾燥。 換気のよい場所で保管する。 鍵をかけておくか、資格のあるまたは認可された人のみが出入りできる場所に入れておく。保管安定性推奨された保管温度15 - 25 °C湿気に反応する。

7.3 特定の最終用途

項目1.2に記載されている用途以外には、その他の特定の用途が定められていない

8. ばく露防止及び保護措置

8.1 管理濃度

コンポーネント別作業環境測定パラメータ
許容濃度が設定されている物質を含有していない。

8.2 曝露防止

適切な技術的管理
汚した衣類はただちに替えること。予防的な皮膚保護を講じること。本物質を取り扱った後は手と顔
を洗うこと。
保護具
眼/顔面の保護
NIOSH(US)またはEN 166(EU)などの適切な政府機関の規格で試験され、認められた眼の
保護具を使用する。 保護眼鏡 密着性の高い安全ゴーグル
皮膚及び身体の保護具
手袋を着用して取扱う。 使用前に、必ず手袋を検査する。 (手袋外面に触れずに)適切に手袋
を脱ぎ、本製品の皮膚への付着を避ける。 適用法令およびGLPに従い、使用後に汚染手袋を廃
棄する。 手を洗い、乾燥させる。
選ばれた防護手袋は、EU指令2016/425の仕様と、それから派生する規格EN374を満たすもので
なければならない。
フルコンタクト
材質: ニトリルゴム
最小厚: 0.11 mm
破過時間: 480 min
試験物質:Dermatril® (KCL 740 / Aldrich Z677272, Size M)
飛沫への接触
材質: ニトリルゴム
最小厚: 0.11 mm
破過時間: 480 min
試験物質:Dermatril® (KCL 740 / Aldrich Z677272, Size M)
データソース:KCL GmbH, D-36124 Eichenzell, 電話 +49 (0)6659 87300, e-mail sales@kcl.de,
試験方法: EN374
EN374とは違った条件の下で、溶液の中、または他の物質と混ぜて使われる場合は、EC認可手
袋の供給業者に問い合わせる。 この勧告は単なる助言であり、予想される用途の特定状況に精
通した産業衛生専門家並びに安全管理者により評価されなければならない。 任意の使用方法に
ついて許可を受けていると理解すべきではない。
身体の保護
保護衣
呼吸用保護具
ほこりが生じた際に必要。 次の規格に準拠しているフィルター式呼吸器保護具を推奨します。
DIN EN 143、DIN 14387および使用済み呼吸器保護システムに関連する他の付属規格。
環境暴露の制御
物質が排水施設に流れ込まないようにする。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

物理状態
固体 (20℃、1気圧) (GHS判定)
無色~黄色
臭い
特徴的な臭気

融点/凝固点

69.5℃ (HSDB (Access on April 2020))

沸点、初留点及び沸騰範囲

249℃ (HSDB (Access on April 2020))

可燃性

可燃性 (ICSC (2019))

爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界

該当しない

引火点

該当しない

自然発火点

該当しない

分解温度

データなし

pH

データなし

動粘性率

該当しない

溶解度

水:500 mg/L (25℃) (HSDB (Access on April 2020)) エタノール、エチルエーテル、酢酸に可溶 (HSDB (Access on April 2020))

n-オクタノール/水分配係数

log Pow=3.7 (ICSC (2019))

蒸気圧

0.008 mmHg (25℃) (HSDB (Access on April 2020))

密度及び/又は相対密度

1.7 g/cm³ (25℃) (ICSC (2019))

相対ガス密度

該当しない

粒子特性

データなし

10. 安定性及び反応性

10.1 反応性

可燃性有機物質及び製剤に概ね該当:微細に分散し、舞い上がった場合、粉じん爆発を起こす可能性が
通常想定される。
高熱で空気と反応して爆発性混合物を生じる
引火点より下のおよそ15ケルビンからの範囲は危険とみなされている。

10.2 化学的安定性

標準的な大気条件(室温)で化学的に安定。

10.3 危険有害反応可能性

次と激しく反応
強酸化剤
酸ハロゲン化合物
酸無水物

10.4 避けるべき条件

強力な熱

10.5 混触危険物質

データなし

10.6 危険有害な分解生成物

火災の場合:項目5を参照

11. 有害性情報

急性毒性

経口
【分類根拠】 (1)、(2) より、区分4とした。
【根拠データ】 (1) ラットのLD50: 820 mg/kg (EHC 93 (1989)、NTP TR155 (1979) 、MOE初期評価第14巻 (2016)、HSDB (Access on April 2020)) (2) ラットのLD50: 2,800 mg/kg (MOE初期評価第7巻:暫定的有害性評価シート (2009)、HSDB (Access on April 2020))
経皮
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
吸入: ガス
【分類根拠】 GHSの定義における固体であり、区分に該当しないとした。
吸入: 蒸気
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
吸入: 粉じん及びミスト
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。

皮膚腐食性及び皮膚刺激性

【分類根拠】 (1)、(2) より、区分2とした。
【根拠データ】 (1) 本物質は眼、皮膚、気道を重度に刺激し、眼や皮膚で発赤、痛みを生じる (MOE初期評価第14巻 (2016)、GESTIS (Access on April 2020))。 (2) 本物質はごく軽度の刺激性を示す (EHC 93 (1989))。
【参考データ等】 (3) EU-CLP分類でSkin Irrit. 2 (H315)に分類されている (EU CLP分類 (Access on June 2020)。

眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性

【分類根拠】 (1)、(2) より、区分2とした。細区分に十分な情報が得られなかったため、区分を変更した。
【根拠データ】 (1) 本物質は眼、皮膚、気道を重度に刺激し、眼や皮膚で発赤、痛みを生じる (MOE初期評価第14巻 (2016)、GESTIS (Access on April 2020)、HSDB (Access on April 2020))。 (2) 本物質に対する眼刺激性は、非ばく露者よりも頻度が高いと報告されている (ATSDR (1999))。
【参考データ等】 (3) EU CLP分類でEye Irrit. 2 (H319) に分類されている (EU CLP分類 (Access on June 2020))。

呼吸器感作性

【分類根拠】 データ不足のため分類できない。

皮膚感作性

【分類根拠】 データ不足のため分類できない。

生殖細胞変異原性

【分類根拠】 (1)、(2) より、専門家判断に基づき、区分に該当しないとした。
【根拠データ】 (1) in vivoでは、マウス腹腔内投与の骨髄小核試験で陰性、マウスの肝細胞で複製DNA合成が陰性、ラット経口投与のDNA傷害試験 (肝細胞) が陰性 (MOE初期評価第14巻 (2016))。マウス腹腔内投与の体細胞変異試験 (マウススポットテスト) で弱陽性の報告がある (MOE初期評価第14巻 (2016)、IRIS (1991)、ATSDR (1999)、HSDB (Access on April 2020)、EHC93 (1989))。 (2) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性、陽性の結果 (IARC 117 (2019)、MOE初期評価第14巻 (2016)、ATSDR (1999)、HSDB (Access on April 2020))。哺乳類培養細胞の遺伝子突然変異試験で陰性、陽性の結果、染色体異常試験で陰性、陽性の結果、姉妹染色分体交換試験で陰性、小核試験及び異数性試験で陽性の報告がある (IARC 117 (2019)、MOE初期評価第14巻 (2016)、ATSDR (1999))。

発がん性

【分類根拠】 (1)、(2) より、区分2とした。
【根拠データ】 (1) 国内外の分類機関による既存分類では、IARCでグループ2B (IARC 117 (2019))、産衛学会で第2群B (産業衛生学会誌許容濃度の勧告 (2018年提案))、EPAでB2 (probable human carcinogen) (IRIS (1991))、NTPでR (Reasonably anticipated to be human carcinogens) (NTP RoC (14th, 2016))、EU CLPで2 (EU CLP分類 (Access on May 2020)) に分類されている。 (2) 雌雄のラット及びマウスに本物質を2年間混餌投与した発がん性試験において、雄ラットで単球性白血病の発生頻度及び悪性リンパ腫と単球性白血病を組合せた発生頻度が有意に増加し、雌雄のマウスで肝細胞がんと腺腫の発生頻度が有意に増加したことから、本物質は雄ラット及び雌雄マウスに対して発がん性を有すると結論されている (NTP TR155 (1979)、IARC 117 (2019)、MOE初期評価第14巻 (2016))。
【参考データ等】 (3) 雌雄のマウスに本物質を8週間強制経口投与又は腹腔内投与し、初回投与から24週間後に肺腫瘍の有無を調べた試験では、肺腫瘍の発生率に有意な増加は認められなかった (IARC 117 (2019)、MOE初期評価第14巻 (2016))。 (4) ヒトで軟部肉腫と非ホジキンリンパ腫に関する疫学研究の報告があるが、本物質へのばく露とこれらの腫瘍発生との因果関係は明確でなく、IARCは発がん性に関する結論を導くにはデータが不十分であると結論した (IARC 117 (2019))。

生殖毒性

【分類根拠】 (1) より、母動物毒性についての記載がなく、生殖影響を示唆する所見がみられたことより、区分2とした。
【根拠データ】 (1) 雌ラットに3週齢から飲水投与し未処置の雄と交配させ、その後も分娩まで飲水投与した試験において、同腹児数の減少がみられた (MOE初期評価第14巻 (2016)、ATSDR (1999))。なお、この試験では母動物毒性の記載がない (ATSDR (1999))。
【参考データ等】 (2) 雄ラットに11週間強制経口投与し、無処置の雌と交配させた試験において、雄親の毒性用量 (死亡、体重増加抑制) においても雄の生殖器及び性機能に影響はみられず、胎児の発生にも影響はみられていない (MOE初期評価第14巻 (2016)、EHC 93 (1989))。 (3) 雌ラットに2週間強制経口投与し、未処置の雄と交配させた後は妊娠21日まで強制経口投与して雌の生殖能を調べた試験において、母動物毒性 (死亡、体重増加抑制) 及び母動物毒性による二次的影響と考えられる出生時体重の低値がみられている (MOE初期評価第14巻 (2016)、EHC 93 (1989))。

特定標的臓器毒性 (単回ばく露)

【分類根拠】 (1) より区分3 (気道刺激性)、(2)~(4) より区分1 (中枢神経系) を標的臓器とした。(2) の症例で腎臓病変がみられたが、1例のみの所見のため、標的臓器とする十分な証拠ではないと判断した。新たなデータに基づき、分類結果を変更した。
【根拠データ】 (1) トリクロロフェノールはガスマスクの検査用トレーサーガスとして使用されているが、検査時の眼、鼻、気道の刺激に対する苦情があった (MOE初期評価第14巻 (2016))。 (2) 本物質を含む木材防腐剤を経口摂取した中毒症例では、死因は中枢神経障害と推定されたが、剖検で消化管粘膜の腫脹、軽度の肺水腫及び腎尿細管壊死がみとめられた (GESTIS (Access on April 2020))。 (3) クロロフェノール (主に本物質) と低濃度のフェノールで汚染した供給水を数日間飲んだ結果、多くの人に消化管障害、頭痛、発疹、全般的な病態 (体調不良) がみられた (GESTIS (Access on April 2020))。 (4) 本物質を経口投与したラットでは、クロロフェノールに特徴的な神経障害を示唆する中毒症状 (落着きのなさ、呼吸数増加、活動性低下、振戦、間代性痙攣、呼吸困難、昏睡) がみられた。LD50値 (800~2,800 mg/kg) から、区分2の用量から症状発現すると推定された (GESTIS (Access on April 2020))。

特定標的臓器毒性 (反復ばく露)

【分類根拠】 (1) よりヒトにおいて肺への影響がみられるとの情報があることから、区分1 (呼吸器) とした。新たな情報源の追加により、旧分類から分類結果を変更した。
【根拠データ】 (1) 本物質はガスマスクの検査用トレーサーガスとして使用されている。ガスマスクの検査に携わる7人を対象に行った調査では、4人 (57%) が風邪に罹った際の胸の喘鳴を訴えており、対照群126人での発生率 (10%) より高率であった。また、肺機能検査では、75%最大呼気流量 (MEF75) の減少、クロージングボリュームの増加、肺内圧の増加、胸部X線写真における陰影像が報告されている (MOE初期評価第14巻 (2016))。 (2) ガスマスクの漏れ検査のため本物質の蒸気に2~10年間ばく露された作業者小集団において、眼、鼻、上気道への刺激と肺機能障害の証拠が認められ、1症例では肺の線維化まで確認されている (EHC 93 (1989)、GESTIS (Access on April 2020))。
【参考データ等】 (3) 本物質のラットの90日間経口投与試験では、240 mg/kg (区分2超の範囲) 以上で血清アルブミンの増加、肝臓及び腎臓の重量増加、720 mg/kg (区分2超の範囲) 以上で流涎、尿による被毛の汚れ、副腎及び精巣の重量増加、血清の総タンパク質やALT (GPT) の上昇、尿pHの低下がみられたが、病理学的変化はみられなかった (MOE初期評価第14巻 (2016))。 (4) 本物質のラットの7週間混餌投与試験では、1% (90日換算値272 mg/kg、区分2超の範囲) 以上で体重増加抑制、4.6% (90日換算値1,252 mg/kg/day相当、区分2超の範囲) で脾臓の髄外造血、肝小葉中間帯の細胞質空胞変性がみられた (MOE初期評価第14巻 (2016)、EHC 93 (1989))。 (5) 本物質のラットの106~107週間混餌投与試験では、末梢血の白血球及び単球の増加、骨髄過形成がみられたが、これらの所見は加齢に伴う所見であり、その発生率は正常範囲内であった (NTP TR155 (1979))。

誤えん有害性*

【分類根拠】 データ不足のため分類できない。

* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。本有害性項目の内容に変更はない。

12. 環境影響情報

12.1 生態毒性

魚毒性
LC50 - Lepomis macrochirus(ブルーギル) - 0.32 mg/l - 96 h
備考: (ECOTOX データベース)
ミジンコ等の水生無脊
EC50 - Daphnia magna (オオミジンコ) - 2.2 mg/l - 48 h
椎動物に対する毒性
備考: (ECOTOX データベース)

12.2 残留性・分解性

データなし

12.3 生体蓄積性

生体蓄積性 Poecilia reticulata (グッピー) - 36 d
- 0.0005 mg/l(2,4,6-トリクロロフェノール)
生物濃縮因子(BCF): 12,180

12.4 土壌中の移動性

データなし

12.5 PBT および vPvB の評価結果

化学物質安全性評価が必要ではない/行っていないため、PBT/vPvB評価データはない。

13. 廃棄上の注意

13.1 廃棄物処理方法

製品
内容物及び容器は、関連法規及び各自治体の条例等の規制に従い、産業廃棄物として適切に処理すること。

14. 輸送上の注意

14.1 国連番号

ADR/RID (陸上規制): 2020    IMDG (海上規制): 2020    IATA-DGR (航空規制): 2020

14.2 国連輸送名

ADR/RID (陸上規制): CHLOROPHENOLS, SOLID
IMDG (海上規制): CHLOROPHENOLS, SOLID
IATA-DGR (航空規制): Chlorophenols, solid

14.3 輸送危険有害性クラス

ADR/RID (陸上規制): 6.1    IMDG (海上規制): 6.1    IATA-DGR (航空規制): 6.1

14.4 容器等級

ADR/RID (陸上規制): III IMDG (海上規制): III IATA-DGR (航空規制): III

14.5 環境危険有害性

ADR/RID: 非該当 IMDG 海洋汚染物質(該当・非該当): IATA-DGR (航空規制): 非該当
非該当

14.6 特別の安全対策

なし

14.7 混触危険物質

15. 適用法令

労働安全衛生法

-

化学物質排出把握管理促進法 (PRTR法)

第1種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1)【287 2,4,6-トリクロロフェノール】

毒物及び劇物取締法

該当しない

航空法

有害性物質(施行規則第194条危険物告示別表第1)【【国連番号】3077 環境有害物質(固体)】

船舶安全法

有害性物質(危規則第3条危険物告示別表第1)【【国連番号】3077 環境有害物質(固体)】

下水道法

水質基準物質(法第12条の2第2項、施行令第9条の4)【28 フェノール類】

大気汚染防止法

有害大気汚染物質に該当する可能性がある物質(中央環境審議会第9次答申)【135 2,4,6-トリクロロフェノール】

水質汚濁防止法

指定物質(法第2条第4項、施行令第3条の3)【55 フエノール類及びその塩類】

16. その他の情報

略語と頭字語

ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
EC50: 有効濃度 50%
IATA:国際航空運送協会
IMDG: 国際海上危険物
LC50: 致死濃度 50%
LD50: 致死量 50%
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
STEL: 短期暴露限度
TWA: 時間加重平均

参考文献

【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
免責事項:

本MSDS中の情報は指定された製品にのみ適用され、特に規定がない限り、本製品とその他の物質の混合物には適用されません。本MSDSは、製品使用者の適切な専門的なトレーニングを受けた者にのみ製品安全情報を提供します。本MSDSの使用者は、本SDSの適用性について独自に判断しなければならない。本MSDSの著者は、本MSDSの使用によるいかなる傷害にも責任を負わない。

推奨製品
2,4,6-トリクロロフェノキシ酢酸 SDS 2,4,6-トリクロロフェノール SDS トリクロロイソシアヌル酸 SDS 2,3,4,6-テトラクロロフェノール (約10%ペンタクロロフェノール含む) SDS トリクロロエチレン SDS クロロホルム SDS ビチオノール SDS バクロフェン SDS スクラロース SDS 2,4,6-トリクロロフェノール ナトリウム SDS