クロトン酸 化学特性,用途語,生産方法
外観
白色~ほとんど白色粉末~塊
種類
クロトン酸は、主に有機合成化学用途の試薬として販売されています。製品には25g , 500g , 3kgなどの容量の種類があり、実験室で取り扱いやすい容量で提供されています。室温で保管可能な試薬製品です。
構造
アセトアルデヒドとマロン酸との縮合によって得られる。水に可溶。アンモニア性硝酸銀を還元する。通常クロトン酸といえばこの化合物のトランス形を意味する。ほかに異性体としてシス形のイソクロトン酸 (融点 15.5℃,沸点 169℃) がある。トランス形のほうが安定で,シス形を 180℃に熱するとトランス形に変化する。どちらも炭素と炭素の二重結合特有の反応,すなわち付加反応を示し,また酸化されやすい。次の構造をもつ。
解説
trans-2-butenoic acid.C4H6O2(86.09).塩基の存在下でアセトアルデヒドとマロン酸を縮合させるか,クロトンアルデヒドを酸化すると得られる."無色の斜状結晶.融点72 ℃,沸点189 ℃.d1541.018.水に可溶.cis-2-グデン酸はイソクロトン酸とよばれる.イソクロトン酸は無色の針状結晶.融点13.5~14.5 ℃,沸点169 ℃.d154"1.0312, n14D1.4483.水に可溶.トランス形のほうが安定である.180 ℃ に加熱するとクロトン酸にかわる.
森北出版「化学辞典(第2版)
合成
クロトン酸の合成
図3. クロトン酸の合成法
クロトン酸は、工業的には、の酸化によって合成されます。その他の合成方法には、塩基存在下でのとの縮合反応などがあります。
化学的特性
White to light yellow crystalline flakes
使用
trans-Crotonic acid is used in the copolymerization of crotonic acid hydrogel systems by using gamma-rays. The crosslinked copolymeric crotonic acid hydrogels release fertilizers and drugs that help to prevent environmental pollution.
製造方法
(E)-2-Butenoic acid may be formed by oxidation of crotonaldehyde, 2-butenal. If (Z)-butenoic acid is heated at 180°C, it
is converted to (E)-2-butenoid acid.
一般的な説明
Crotonic acid undergoes esterification with butan-2-ol by following second order reaction kinetics.
使用用途
クロトン酸の主な用途は、他の物質と共重合させて形成するコポリマー (copolymer) の原料です。主な共重合モノマーにはなどのビニル系化合物があります。合成された共重合化合物は、皮膜形成材や、ヘアスタイリング剤として使用されています。
また、クロトン酸はガンマ線を用いたクロトン酸ハイドロゲルシステムの共重合にも用いられています。架橋共重合体クロトン酸ハイドロゲルは、肥料や薬剤を徐放し、環境汚染の防止に効果があるとされている物質です。
その他にも、医薬、香料、農薬など各種有機合成の原料としての用途が挙げられます。
特徴
図2. クロトン酸とイソクロトン酸
クロトン酸の二重結合はトランス型の構造です。クロトン酸には、シス型の二重結合をもつ幾何異性体が存在し、イソクロトン酸 (isocrotonic acid) と呼ばれています。
イソクロトン酸は沸点171.9 ℃の単離可能な安定な油状液体ですが、熱や光、酸などの作用によってクロトン酸へと異性化します。クロトン酸は、光や過酸化物の作用によって、重合したり、変質したりするするおそれがある物質です。遮光性のある容器で保存するのが望ましいとされています。
引火点は87.8℃、自然発火温度は 396℃です。消防法では、指定可燃物、可燃性固体類に分類されています。
純化方法
Distil the acid under reduced pressure and/or recrystallise it from pet ether (b 60-80o) or water, or by partial freezing of the melt. [Beilstein 2 IV 1498.]
クロトン酸 上流と下流の製品情報
原材料
準備製品