ポリアミン

ポリアミンは分子中で二つ以上のアミノ基を含有する脂肪族化合物であり,ポリアミンが細菌やウイルス中のDNAとRNAに関連するということはすでに明らかになった。これはある程度で核酸分子の化学的性質を安定させ,その役割は真核細胞中のDNA上のヒストンと類似する。スペルミジン(spermidine)とスペルミン(sper-mine)は重要なポリアミンである。スペルミジンとスペルミンが最初に精液で発見されるため名付けられる。実際には両者はほとんどの組織に存在する。それらは微生物と哺乳動物の培養中の細胞膜を強くする成長促進剤であり,核酸代謝に対して様々な影響を与える。体内のスペルミジンとスペルミンはオルニチンによって合成される。 ポリアミンはさらに一種の生物活性を有する低分子量の脂肪族窒素含有塩基性化合物である。分子中のアミノ基の数によってジアミン、トリアミン、テトラアミン等に分けられる。一般的なジアミンはプトレッシン〔H2N—(CH2)4—NH2 ,putroscine又はput 〕,カダベリン〔H2N—(CH2)5—NH2,cadavorine,又はcad〕である;トリアミンはスペルミジン〔H2N—(CH2)4—NH—(CH2)3—NH3,spermidine,又はspd]である;ポリアミンは植物の根、茎、葉、花、果実、種子、塊茎及び胚に広く存在する。その主な合成前駆体はアルギニン、リジン及びメチオニンである。プトレッシンはポリアミンの生合成経路の中心部にある。アルギニン脱炭酸酵素(ADC)は高等植物がポリアミンを合成する重要な酵素である。IAA、GA、CTKはADCの活性を促進することができ,それに対してABAとエチレンはADCの活性を抑制することができる。ポリアミンは生理的pHでポリカチオンの状態をもって存在するため,負電荷を持っている核酸とタンパク質と結合しやすく,DNA、RNAとタンパク質の生合成を調節し,成長を促進し,膜構造を安定させ,老化を抑制しかつ抵抗力を補強するという効果を有する。
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